「提携、協業するときの注意点は、ある程度決まりや原則があります。自分の商品、サービスが優れていないと提携、協業は、どちらにせようまくいきませんが、優れていると自負があるのであれば、少しの用心深さが必要です。特に相手が大手の場合はなおさらです。」

・提携、協業の基本は相互利益の拡大が実現出来るかという一点に限ります。
流行りの言葉に置き換えるなら「ウイン(WIN)ウイン(WIN)の関係」と言う事になります。
それには、相手先との関係が凸凹(でこぼこ)であったり大小の様に図体に差があったりしなければ成り立ちません。この凸凹とは、得意とする商品の製造過程が隣同士であったり、営業力はあるが商品が良くない、商品は良いが販売に問題があるといった具合に、お互いのストロングポイントとウイークポイントに違いがあるという事です。

また、交渉を進める場合は相手の関心事や利害を、先方の立場に立って考える習慣を身に付けなければ、まとまりません。

事業が思い通り進まない場合、経営者は提携、協業して何とか現状を打破したい、売上げを伸ばしたいと考えますが、まず、自社のストロングポイントとウイークポイントを自己分析して、どの様な会社が凸凹の条件を満たしているかを検討した上で相手先の候補を探します。

しばしば、異業種交流会や地元の商工会議所などの会合で社長同士が意気投合して「何か出来ないか考える」という話がありますが、あまり成功したという話は聞きません。これは〝商売ありき〟で凸凹条件が満たされていないケースが多いからです。

また、良い協業先、提携先が見つかったと思っても、あらゆる事態を想定してきっちり条件交渉を行い、契約に落とすようにします。スモールビジネス同士の提携や協業は、〝最初は盛り上がって、話が進むにつれギクシャクする〟というパターンが圧倒的に多いようです。最初の段階で細かいリスクも想定、協議して、契約に落とす事で成功率は高まります。

・大手企業との提携、協業は慎重にします。ある日、突然連絡がきて、舞い上がってばかりではいけません。大手側からスモールビジネスとの提携を切り出してくる場合は、「自分たち(大手企業)には無く、自前で作るほど大きなプロジェクトでもない、だから、無い物を一時的に補完するために声をかける」という比較的、〝誠実な場合〟もありますが、「とりあえず、どんな事をしているのか、調べるために声をかける、または、一時的に利用して、ビジネスが拡大しそうであれば、内製化を考える、もしくは、生かさず殺さず、少し時間をかけて、吸収する、取り込む」と言った大手の論理で声をかけてくる場合も多々あります。

もちろん、全て悪い方向に考える必要はありませんが、用心が必要です。丁寧、誠実そうに声をかけてきた大企業の担当者もその上司や経営の思惑を理解していない場合があるからです。
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