「準備に大変な労力を必要としたIPOですが、メリットばかりではありません。これまで必要としなかった業務や気苦労が生じるというデメリットも出てきます。」

・IPOのメリットを上げれば、知名度や信用力が向上する、上場時にまとまった資金が調達出来る、自社の株式に流動性が出る(取引所で売買出来るようになる)、創業者であればIPO時の売出しでキャピタルゲインを享受できる。優秀な人材の採用が可能となる、従業員の士気が高まる、その後、大きなファイナンス(増資)が可能になる等というものです。

・デメリットは、上場や上場維持にかかる費用がかかる。IR(インベスターリレーション)や決算に携わるスタッフの増員により人件費が大きくなる。取引所への報告作業や書類作成の負担が増える。株主からの業績に対するプレッシャーが大きくなる。その結果、事業の進め方が短期志向に成りがちになる。株の買い占めにより乗っ取られる可能性が出る、等などです。

経営者によっては、デメリットがあっても、メリットが上回るという事もありますし、苦労して雑用が増える割にはメリットが小さいと考える人もいます。これに関しては、どちらかが良いか本書がお勧めする立場にはありません。ただ、IPOを実際に行うかは別にして、IPOを目標にして、時間やコスト面で無理の無い範囲で、社内体制の整備を行っていけば、会社の体質が大きく強化されていく事は確かです。

あなたの始めたスモールビジネスが成長期を迎えた時にこのメリット、デメリットを天秤にかけて、次の目標を定める事は経営者冥利に尽きる贅沢な悩みとなるはずです。
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